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心に響く聖書の言葉


母の日礼拝メッセージ「神様に祝福される母親」



1.母の日


@その起源
 母の日は、アメリカのウエストヴァージニア州出身のアンナ・ジャービスと言う女性の呼びかけから始まりました。教会学校の教師でもあった母親を偲び、教会で記念会を持ち、母親が好きだったカーネーションを捧げました。それでカーネーションが母の日に贈る花となりました。

A聖書的理由
 私達の教会でも毎年、五月に母の日集会、六月には父の日集会を持っています。勿論、教会は決して人を誉め称える場所ではありません。人の奉仕や業績を称賛する場所ではありません。では、何のために母の日、父の日集会を持つのでしょうか?・・それは聖書の教えに従うためです。

エペソ6章1-3節 子どもたちよ。主にあって両親に従いなさい。これは正しいことだからです。 「あなたの父と母を敬え。」これは第一の戒めであり、約束を伴ったものです。すなわち、 「そうしたら、あなたはしあわせになり、地上で長生きする」という約束です。

 両親を敬う事はクリスチャンに命じられた第一の戒めだと使徒パウロは記しています。また、「幸せになり長生きする」約束を伴ったものであり特別な戒めです。聖書はこの世の御利益的な祝福を約束していませんが、唯一、この戒めだけは特別だと言えるでしょう。ですから、もしあなたが「幸せになりたい、長生きしたい」と願うなら、ご両親を敬われることです。

 教会で母の日、父の日集会を持つもう一つの理由は、両親への感謝を通して神様に感謝するためです。あなたの父親と母親が恋愛をし、母親が妊娠し、痛みをこらえて出産しなければ、あなたは生まれませんでした。それは同時に、神様があなたの父母を巡り合わせ、母親の胎に新しいいのちと息を与えてくださらなければ、あなたは生まれませんでした。だから、あなたが生きているのはご両親のおかげであり、いのちの支配者である神様のおかげです。

 本来なら私達は毎日感謝すべきなのですが、母の日に私達は心から母親に感謝し、そして神様に感謝するのです。心の中で感謝しているだけでは不十分です。母親に「ありがとう!」と言って感謝しましょう。プレゼントを贈って感謝しましょう。遠くに母親が住んでおられるなら、電話をかけ感謝の気持ちを伝えましょう。すでに母親が亡くなられているなら、母親の愛を思い起こして偲び、母親と共に過ごせた時間を神様に感謝しましょう。

2. 「神様に祝福される母親」になるために

 ここからはお母さんへのメッセージです。
「神様に祝福される母親」になってほしいと願います。この世界には数十億人の母親がおられます。子どもたちから愛されている母親がおられます。周囲の人たちからも愛され慕わている母親がおられます。「素敵なお母さんですね」と言われるなら嬉しいことでしょう。

 しかし、聖書のメッセージは「
神様に祝福される母親になりなさい」です。子供たちの評価より、周囲の人たちの評価より、神様の評価のほうが重要です。なぜなら子供たちの評価や人々の評価は曖昧で、誤解、偏見があったりするので、正しい基準に基づくものではないからです。神様に祝福される母親こそ尊敬されるべきであり、後々まで語り継がれる「素敵なお母さん」なのです。

 では、「神様に祝福される母親」になるためにはどうしたらよいでしょう?---その答えを得るために、イエス様の母マリヤから学びたいと思います。マリヤは母親の中で「祝福された女性」と呼ばれています。今朝の聖書箇所では、マリヤについて次のように言われています。

・御使いガブリエルのことば
1:28 御使いは、入って来ると、マリヤに言った。「おめでとう、恵まれた方。主があなたとともにおられます。」

・親類のエリサベツのことば
1:42 そして大声をあげて言った。「あなたは女の中の祝福された方。あなたの胎の実も祝福されています。
1:45 主によって語られたことは必ず実現すると信じきった人は、何と幸いなことでしょう。」


@信仰によって
 聖書ではなぜマリヤがイエス様の母親として選ばれたのか、その理由を書いていません。イエス様を妊娠する以前のマリヤについて聖書は一言も触れていません。しかし、マリヤがどのような信仰を持っていたかを知ることが出来ます。マリヤは「
神様が語られたことは必ず実現する」と信じきった人でした。マリヤが祝福された最大の理由がここにあります。

 何でも信じるのではありません。井戸端会議で話される噂話や陰口を信じる事は良くないことです。また、この世には私たちをだまそうとする商売人や詐欺師や宗教家がいます。疑う事をせずになんでも信じてしまったら、大変な不幸を背負ってしまいます。信じるべきは真理の源泉である神様が語られたことばです。神様が約束されたことは必ず実現すると信じきる事が大切です。マリヤはその信仰のゆえにイエス様の母として選ばれたのです。



A心の美しさによって
 マリヤが祝福された母親となった二つ目の理由は、マリヤの祈りから知ることが出来ます。

1:46 マリヤは言った。「わがたましいは主をあがめ、
1:47 わが霊は、わが救い主なる神を喜びたたえます。
1:48 主はこの卑しいはしために目を留めてくださったからです。ほんとうに、これから後、どの時代の人々も、私をしあわせ者と思うでしょう。
1:49 力ある方が、私に大きなことをしてくださいました。その御名は聖く、
1:50 そのあわれみは、主を恐れかしこむ者に、代々にわたって及びます。


 マリヤの心の美しさが際立っています。礼拝者としての心、喜びと感謝、そしてへりくだった心を持っています。自分のことを「卑しいはしため」と呼び、その自分に目を留めてくださった神様に感謝しています。マリヤは自分が罪びとであることを認め、神様を「わが救い主」と呼んでいます。

 お母さんであるあなたはどうでしょうか?――マリヤのような喜びと感謝を持っておられるでしょうか?――そうなら素晴らしい事です。けれど、もしかすると不平不満ばかりが心を満たしてしまってはいないでしょうか?ご主人の態度や言葉が気に食わなかったり、子供たちが言う事を聞かないのでイライラする毎日であったり。家計が苦しい事をぼやいたり、毎日の家事が面倒に感じたりしておられないでしょうか?ーー確かに母親の労苦は計り知れないものです。イライラが募り愚痴の一つもこぼしたくなるのは当然です。365日、妻として母として休まずに働いているのに、その労働に対する給与はありません。「文句を言わずに我慢しなさい」と説教するなら、お母さん方にとって残酷なことでしょう。

 けれどもマリヤの祈りから学んで頂きたいのは、私達は自分に与えられた神様の恵みに目を向けなければならないという事です。神様が自分にしてくださったこと、神様が与えてくださったものに目を向けるのです。そうするなら次第に感謝の気持ちのほうが大きくなっていきます。これが不平不満の解決法です。聖歌642番は私達にそのことを教えてくれる素晴らしい賛美歌です。


  望みも消えゆくまでに 世の嵐に悩む時
  数えてみよ主の恵み なが心は安きを得ん
  数えよ主の恵み 数えよ主の恵み
  数えよ 一つずつ
  数えてみよ 主の恵み


B真理に基づいて
 マリヤが祝福された三つ目の理由は、その信仰が確かな裏付け、真理に基づく信仰だったからです。


1:51 主は、御腕をもって力強いわざをなし、心の思いの高ぶっている者を追い散らし、
1:52 権力ある者を王位から引き降ろされます。低い者を高く引き上げ、
1:53 飢えた者を良いもので満ち足らせ、富む者を何も持たせないで追い返されました。
1:54 主はそのあわれみをいつまでも忘れないで、そのしもべイスラエルをお助けになりました。
1:55 私たちの父祖たち、アブラハムとその子孫に語られたとおりです。」


 マリヤの信仰は盲目的ではありませんでした。彼女は聖書に精通し、イスラエルの歴史に現わされた神様のご計画と神様の全能の力を知っていました。聖書を学んで何が正しいことか、何が間違っているかを理解していましたーーこれがマリヤが祝福された理由です。

 ですからお母さんがた、どうか聖書を深く学んでください。あなたが子どもを育てるとき、何が正しいことか、何が悪い事かをしっかり教えるために、あなたがまず学んでいなければ教え導くことは出来ません。不平不満ばかりなら子供たちも不平不満ばかり言うようになるでしょう。自分の理想や夢を子供に押し付ける教育は間違いです。しかし、あなたが聖書を学び、真理の中を歩んでいるなら、また、神様を愛して礼拝者として喜びをもって教会に集うなら、子供たちにとって良き見本となり、子供たちに永遠の財産を残すことが出来るのです。どうか今以上の素敵なお母さんになってください。