心に響く聖書の言葉

四章 世の終わりにはどんな前兆があるのかA


 四章@では、世の終わりの前兆についてイエス・キリストの教えから学びました。しかし、その箇所だけでは預言のことばを正確に解釈することが出来ません。それで他の聖書箇所を参照して、世の終わりの前兆について詳しく学びます。

1.イスラエルが集められる



【エゼキエルの預言】
37:1 【主】の御手が私の上にあった。私は【主】の霊によって連れ出され、平地の真ん中に置かれた。そこには骨が満ちていた。
37:2 主は私にその周囲をくまなく行き巡らせた。見よ、その平地には非常に多くの骨があった。しかも見よ、それらはすっかり干からびていた。
37:3 主は私に言われた。「人の子よ、これらの骨は生き返ることができるだろうか。」私は答えた。「【神】、主よ、あなたがよくご存じです。」
37:4 主は私に言われた。「これらの骨に預言せよ。『干からびた骨よ、【主】のことばを聞け。
37:5 【神】である主はこれらの骨にこう言う。見よ。わたしがおまえたちに息を吹き入れるので、おまえたちは生き返る。
37:6 わたしはおまえたちに筋をつけ、肉を生じさせ、皮膚でおおい、おまえたちのうちに息を与え、おまえたちは生き返る。そのときおまえたちは、わたしが【主】であることを知る。』」
37:7 私は命じられたように預言した。私が預言していると、なんと、ガラガラと音がして、骨と骨とが互いにつながった。
37:8 私が見ていると、なんと、その上に筋がつき、肉が生じ、皮膚がその上をすっかりおおった。しかし、その中に息はなかった。
37:9 そのとき、主は言われた。「息に預言せよ。人の子よ、預言してその息に言え。『【神】である主はこう言われる。息よ、四方から吹いて来い。この殺された者たちに吹きつけて、彼らを生き返らせよ。』」
37:10 私が命じられたとおりに預言すると、息が彼らの中に入った。そして彼らは生き返り、自分の足で立った。非常に大きな集団であった。
37:11 主は私に言われた。「人の子よ、これらの骨はイスラエルの全家である。見よ、彼らは言っている。『私たちの骨は干からび、望みは消え失せ、私たちは断ち切られた』と。
37:12 それゆえ、預言して彼らに言え。『【神】である主はこう言われる。わたしの民よ、見よ。わたしはあなたがたの墓を開き、あなたがたをその墓から引き上げて、イスラエルの地に連れて行く。
37:13 わたしの民よ。わたしがあなたがたの墓を開き、あなたがたを墓から引き上げるとき、あなたがたは、わたしが【主】であることを知る。
37:14 また、わたしがあなたがたのうちにわたしの霊を入れると、あなたがたは生き返る。わたしはあなたがたを、あなたがたの地に住まわせる。このとき、あなたがたは、【主】であるわたしが語り、これを成し遂げたことを知る──【主】のことば。』」
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37:25 彼らは、わたしがわたしのしもべヤコブに与え、あなたがたの先祖が住んだ地に住むようになる。そこには彼らとその子らとその子孫たちが、とこしえに住み、わたしのしもべダビデが永遠に彼らの君主となる。

 この預言は二章でも取り上げましたが、世の終わりの前兆を知るために欠かすことが出来ない預言です。
「干からびた骨」は「イスラエルの全家」であり、まず骨と骨がつながり、その上に筋がつき、肉が生じ、皮膚がその上をすっかり覆い、最後に生き返って自分の足で立った、というのです。これは世界中に離散し、長い間死んだように暮らしていたイスラエル民族を指しています。彼らは集まり、組織化され、国家となるという預言です。――これはすでに成就したと言えるでしょう。ただし、「その中に息はなかった」と預言されています。それは神様の側から見た描写であり、イスラエルのうちに神様に対する信仰がないことを示しています。事実、イスラエルは1948年に再建国しましたが、ユダヤ教という宗教に熱心であっても、神が遣わされたイエス・キリストを受け入れず、神様の御心に従わないで不従順の中にいます。それゆえ現在もイスラエルは神様の前に死んだ状態―息がない状態なのです。

 近い将来、イスラエルはイエス・キリストの福音を受け入れ、神様の御心に立ち返ることが預言されているのです。そしてその時に「ダビデが永遠に彼らの君主となる」という預言通り、「ダビデの子」として来られたイエス・キリストが再臨され、世の終わり(この時代の終わり)となるのです。

【イザヤの預言】
11:11 その日、主は再び御手を伸ばし、ご自分の民の残りの者を買い取られる。彼らは、アッシリア、エジプト、パテロス、クシュ、エラム、シンアル、ハマテ、海の島々に残っている者たちである。
11:12 主は国々のために旗を揚げ、イスラエルの散らされた者を取り集め、ユダの追い散らされた者を地の四隅から集められる。
【エレミヤの預言】
31:8 見よ。わたしは彼らを北の国から連れ出し、地の果てから彼らを集める。その中には、目の見えない者も足の萎えた者も、身ごもった女も臨月を迎えた女も、ともにいる。彼らは大集団をなして、ここに帰る。
【ミカの預言】
2:12 ヤコブよ。わたしは、あなたを必ずみな集め、イスラエルの残りの者を必ず呼び集める。わたしは彼らを、囲いの中の羊のように、牧場の中の群れのように、一つに集める。こうして、人々のざわめきが起こる。
【ゼカリヤの預言】
10:9 わたしは彼らを諸国の民の間にまき散らすが、彼らは遠く離れてわたしを思い出し、その子らとともに生き延びて帰って来る。

 このように多くの預言者たちによって全世界に散らされたイスラエルが終末に集められることが預言されています。イスラエルが再建国した現在、世の終わりが秒読み段階に入ったことを示しています。


2.反イスラエルの北の大軍が形成されていく

【エゼキエルの預言】
38:1 次のような【主】のことばが私にあった。
38:2 「人の子よ。メシェクトバルの大首長である、マゴグの地のゴグに顔を向け、彼に預言せよ。
38:3 『【神】である主はこう言われる。メシェクとトバルの大首長であるゴグよ。今、わたしはおまえを敵とする。
38:4 わたしはおまえを引き回し、おまえのあごに鉤をかけ、おまえと、おまえの全軍勢を出陣させる。それはみな完全に武装した馬や騎兵、大盾と盾を持ち、みな剣を取る大集団だ。
38:5 ペルシアクシュプテも彼らとともにいて、みな盾を持ち、かぶとを着けている。
38:6 ゴメルとそのすべての軍隊、北の果てのベテ・トガルマとそのすべての軍隊、それに多くの国々の民がおまえとともにいる。
38:7 備えをせよ。おまえも、おまえのもとに召集された全集団も構えよ。おまえは彼らを統率せよ。
38:8 多くの日が過ぎて、おまえは徴集され、多くの年月の後、おまえは、一つの国に侵入する。そこは剣から立ち直り、多くの国々の民の中から、久しく廃墟であったイスラエルの山々に集められた者たちの国である。その民は国々の民の中から導き出され、みな安らかに住んでいる。
38:9 おまえは嵐のように攻め上り、おまえと、おまえの全部隊、それに、おまえにつく多くの国々の民は、地をおおう雲のようになる。
38:10 【神】である主はこう言う。その日には、おまえの心に様々なことが思い浮かぶ。おまえは悪巧みをめぐらして、
38:11 こう言うだろう。「私は無防備な国に攻め上ろう。安心して暮らす平穏な者たちのところに侵入しよう。彼らはみな城壁もなく住んでいる。かんぬきも門もない」と。
38:12 それは、おまえが略奪し、獲物をかすめ奪うため、また今は人の住むようになった廃墟と、国々から集められて地の中心に住み、家畜と財産を所有した民とに向かって手を伸ばすためだ。
38:13 シェバやデダンやタルシシュの商人たち、およびそのすべての若い獅子たちは、おまえに言うだろう。「おまえは分捕るために来たのか。獲物をかすめ奪うために隊を構えたのか。銀や金を運び去り、家畜や財産を取り、大いに略奪しようとするつもりか」と。』
38:14 それゆえ、人の子よ、預言してゴグに言え。『【神】である主はこう言われる。わたしの民イスラエルが安心して住んでいるとき、まさに、その日、おまえは知ることになる。
38:15 おまえは北の果てのおまえの国から、多くの国々の民とともに来る。彼らはみな馬に乗る者で、大集団、大軍勢だ。
38:16 おまえはわたしの民イスラエルを攻めに上り、地をおおう雲のようになる。終わりの日に、そのことは起こる。ゴグよ、わたしはおまえに、わたしの地を攻めさせる。それは、わたしがおまえを使って、国々の目の前にわたしが聖であることを示し、彼らがわたしを知るためだ。
38:17 【神】である主はこう言う。おまえは、わたしが昔、わたしのしもべであるイスラエルの預言者たちを通して語った、まさにその者ではないか。この預言者たちは長年にわたり、わたしがおまえに彼らを攻めさせると預言していたのだ。』
38:18 ゴグがイスラエルの地を攻めるその日──【神】である主のことば──わたしの憤りは激しく燃え上がる。
38:19 わたしは、ねたみをもって、激しい怒りの火をもって告げる。その日には必ずイスラエルの地に大きな地震が起こる。
38:20 海の魚、空の鳥、野の獣、地面を這うすべてのもの、地上のすべての人間は、わたしの前で震え上がり、山々はくつがえり、崖は落ち、すべての城壁は地に倒れる。
38:21 わたしは剣を呼び寄せて、わたしのすべての山々でゴグを攻めさせる──【神】である主のことば──。剣による同士討ちが起こる。
38:22 わたしは疫病と流血で彼に罰を下し、彼と、彼の部隊と、彼とともにいる多くの国々の民の上に豪雨、雹、火、硫黄を降らせる。
38:23 わたしは、わたしが大いなる者であること、わたしが聖であることを示し、多くの国々の見ている前でわたしを知らせる。そのとき彼らは、わたしが【主】であることを知る。」

 エゼキエル書では、37章のイスラエル再建国の預言に続いて、38章で、世の終わりの最終戦争について預言しています。「マゴグの地のゴグ」「北の果ての国」、とは明らかに現在のロシアを指していると考えられます。「メシェク」はモスクワの古名であり、「トバル」はシベリアの最も古い都市トボリスクを指しています。

 このゴグの軍隊が、世の終わりの時にイスラエルを侵略すると預言されています。その侵略の時、単独で行動するのではなく、幾つかの同盟国と共にイスラエルを攻撃します。従ってこの預言の成就のためにはロシアを中心とする軍事同盟が結ばれていなければなりません。その同盟が現時点においてほぼ完成していると言えるでしょう。
 同盟国の名は古代の名称で記されていますが、現在における次の国々を指していると考えられます。

「ペルシャ」・・イラン
 ロシアとイランは近年、軍事関係を強めており、ペルシャ湾で合同演習を行っています。

「クシュ」・・スーダンとエチオピア
 ロシアはアフリカの多くの国に勢力拡大を図っており、軍事支援を軸に協力関係を保っています。

「プテ」・・リビア
 リビア国内では紛争が激化しており、諸外国の軍事介入があります。ロシアもその一つで、軍事介入することにより、地中海進出の足掛かりを得ようとしています。

「ゴメル」・・ベラルーシ
 ベラルーシはロシアの軍事同盟国の一つです。 

「ベテ・トガルマ」・・トルコ
 ロシアとトルコは現在、リビア紛争介入において対立政策を取っていますが、利害が一致すれば協力できる関係です。


3.東に二億の軍隊が集結

【黙示録の預言】
9:13 第六の御使いがラッパを吹いた。すると、神の御前にある金の祭壇の四本の角から、一つの声が聞こえた。
9:14 その声は、ラッパを持っている第六の御使いに言った。「大河ユーフラテスのほとりにつながれている、四人の御使いを解き放て。」
9:15 すると、その時、その日、その月、その年のために用意されていた、四人の御使いが解き放たれた。人間の三分の一を殺すためであった。
9:16 騎兵の数は二億で、私はその数を耳にした。
9:17 私が幻の中で見た馬と、それに乗っている者たちの様子はこうであった。彼らは、燃えるような赤と紫と硫黄の色の胸当てを着けており、馬の頭は獅子の頭のようで、口からは火と煙と硫黄が出ていた。
9:18 これら三つの災害、すなわち、彼らの口から出る火と煙と硫黄によって、人間の三分の一が殺された。
9:19 馬の力は口と尾にあって、その尾は蛇に似て頭を持ち、その頭で害を加えるのである。

16:12 第六の御使いが鉢の中身を大河ユーフラテスに注いだ。すると、その水は涸れてしまい、日の昇る方から来る王たちの道を備えることになった。
16:13 また、私は竜の口と獣の口、また偽預言者の口から、蛙のような三つの汚れた霊が出て来るのを見た。
16:14 これらは、しるしを行う悪霊どもの霊であり、全世界の王たちのところに出て行く。全能者なる神の大いなる日の戦いに備えて、彼らを召集するためである。
16:15 ──見よ、わたしは盗人のように来る。裸で歩き回って、恥ずかしい姿を人々に見られることのないように、目を覚まして衣を着ている者は幸いである──
16:16 こうして汚れた霊どもは、ヘブル語でハルマゲドンと呼ばれる場所に王たちを集めた。

 ヨハネの黙示録には、ユーフラテス川から二億の兵がイスラエルに向かって侵攻してくることが預言されています。ユーフラテス川はイラン、イラク、シリアを通って流れている川であり、その川が干上がった時、東から王たち(軍隊)がやって来てハルマゲドンと呼ばれる場所(メギドの丘)に集結することが預言されています。
 ユーフラテス川より東には主にイラン、インド、そして中国があります。これらの三国はロシアと密接な軍事協力関係を保っています。そして世界人口約77億人のうち、中国が14億人、インドが13億人であり、両国で世界人口の約37%を占めています。これらの国々から二億の兵を集めることは容易い事です。
(ヨハネがこの黙示録を書いた時点では、全世界人口が約二億人でした。現代に至ってこそ、東からの二億の軍隊出兵が可能です。)
 黙示録9章に描かれている「燃えるような赤と紫と硫黄の色の胸当て」はインド軍、中国軍を彷彿させます。また、兵隊が乗っている馬の頭は「獅子の頭のようで、口からは火と煙と硫黄が出ていた」とは、現在の戦車をヨハネが幻で見たときにそのように表現したと考えられます。


中国人民解放軍

インド陸軍旗

 「世の終わり」のときについて、聖書はさらに「空中携挙」、「七年間の患難期」、「反キリスト(荒らす忌むべき者)の出現」等が起こることを預言しています。これらの将来起こる重要な出来事について、この後、学んでいきましょう。

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