心に響く聖書の言葉

十戒・第二戒  礼拝音声ファイル


出エジプト記20章4-6節
モーセの十戒2  「偶像を造ってはならない」


出エジプト 20:4 あなたは、自分のために、偶像を造ってはならない。上の天にあるものでも、下の地にあるものでも、地の下の水の中にあるものでも、どんな形をも造ってはならない。
20:5 それらを拝んではならない。それらに仕えてはならない。あなたの神、【主】であるわたしは、ねたむ神、わたしを憎む者には、父の咎を子に報い、三代、四代にまで及ぼし、
20:6 わたしを愛し、わたしの命令を守る者には、恵みを千代にまで施すからである。


 これはモーセの十戒、第二戒の全文です。第1戒は、私たちが誰を礼拝すべきかという礼拝の対象を教えていますが、第2戒は、人が全能の神をどのように礼拝すべきかという礼拝の様式を定めています。

1.偶像を造って礼拝してはならない

 なぜ偶像を造って礼拝してはならないのでしょうか?・・・それは創造者の御心に反する愚かな行為だからです。
ローマ1:22 彼らは、自分では知者であると言いながら、愚かな者となり、
1:23 不滅の神の御栄えを、滅ぶべき人間や、鳥、獣、はうもののかたちに似た物と代えてしまいました。
1:24 それゆえ、神は、彼らをその心の欲望のままに汚れに引き渡され、そのために彼らは、互いにそのからだをはずかしめるようになりました


 事実、なんと多くの宗教が、木や石等で様々な偶像を造って拝んでいるでしょう!なぜ人は偶像を造りたがるのでしょうか?--それは、次の理由に依ります。

@まことの神を知らない人は、自分の想像で神を創り上げるため、そのイメージを形にしたいと思うから。
A礼拝の対象物を造り、それを安置し、見ることによって、礼拝心が掻き立てられるから。
B造った神は、ものを言わないから。(自分にとって都合が良い)
 特に三番目はもっともな理由だと思います。偶像は文句を言ったり、罪を責めたりしないので都合が良いのです。好き勝手に礼拝ができ、何でもお願いが出来ます。都合が悪くなると、すべての責任を押し付け、礼拝しなくても済むからです。なんとも都合が良い神なのです。

  全知全能の神は第二戒により、ご自身でその礼拝方法を定められました。像を造らないで、霊において礼拝せよと命じておられるのです。イエス・キリストは礼拝について次のように語られました。


ヨハネ4:24 「神は霊ですから、神を礼拝する者は、霊とまことによって礼拝しなければなりません。」

 余談ですが、信仰者はどんな像や絵も造ってはいけないのでしょうか?・・・そうではありません。「あなたのために偶像を造ってはならない」と命じられています。まさしく礼拝の対象としての偶像です。したがって礼拝の対象としてでなければ問題ありません。人物像を彫ったり、人物画を描いたとしても問題はありません。では、イエス・キリストや母マリアの像や絵を造るのはどうでしょうか?−−これは意見の分かれるところです。私の考えでは、神を礼拝するためにイメージとして用いられるようになるなら偶像です。生き生きと描かれた肖像などはそういう危険性があるでしょう。像を精巧に造れば造るほど、あなたは礼拝するつもりがなくても、他の人が手を合わせるようになります。
 紙芝居のためにイエス様の顔を描いたり、人形劇のためにイエス様の人形を作っても問題とはならないでしょう。でも、それが偶像視される危険性がすこしでもあるなら、捨て去るべきです。


2.新約聖書での言及

 偶像については新約聖書のなかでも厳しく戒められています。
Tコリント 10:7 あなたがたは、彼らの中のある人たちにならって、偶像崇拝者となってはいけません。
Tコリント 10:14 ですから、私の愛する者たちよ。偶像礼拝を避けなさい
Tヨハネ 5:21 子どもたちよ。偶像を警戒しなさい。


 さらに、新約聖書では偶像礼拝の対象範囲が広くなっています。
エペソ5:5 あなたがたがよく見て知っているとおり、不品行な者や、汚れた者や、むさぼる者──これが偶像礼拝者です、──こういう人はだれも、キリストと神との御国を相続することができません。
コロサイ3:5 ですから、地上のからだの諸部分、すなわち、不品行、汚れ、情欲、悪い欲、そしてむさぼりを殺してしまいなさい。このむさぼりが、そのまま偶像礼拝なのです。
 人が神を礼拝しようとするのを邪魔するような汚れた行為や思いまでが「偶像」だと教えています。ですから、私たちはそのような愚かな行為や思いを捨て去らなければなりません。

3.呪いと祝福

 第2戒の戒めだけは、呪いと祝福が付加されています。
出エジプト20:5 あなたの神、【主】であるわたしは、ねたむ神、わたしを憎む者には、父の咎を子に報い、三代、四代にまで及ぼし、
20:6 わたしを愛し、わたしの命令を守る者には、恵みを千代にまで施すからである。

 これは偶像を造り、保持することがとても恐ろしいことだからです。偶像が造られると、それは後々まで残ることになります。呪いを恐れて誰も偶像を破棄しようとしないからです。それで、偶像はその人から子に引き継がれ、子から孫に引き継がれていき、人々に影響を与えます。偶像を造ることを止めなければ、偶像は家に、町に、国中にあふれるようになります。だからこそ、私たちは偶像を造ってはならず、偶像を捨て去らなければなりません。偶像を捨てることをどうか躊躇しないでください。あなたが偶像を捨て去るとき、呪いではなく、神様の祝福があなたとあなたの家族、そして子孫に及ぶのです。

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